BtoB取引で、適切に与信管理を行うことは非常に重要ですが、この管理が重要になる理由には何があるのかご存知でしょうか。主な理由としては、連鎖倒産防止・資金繰り対策・貸し倒れ損失回避による利益確保、この3つがあります。それぞれの項目について解説します。与信管理が必要な理由の一つ目が連鎖倒産の防止、これは売掛債権が大きいものほど回収不能になったときの損失が大きくなりがちです。
連鎖倒産は、多額の不良債権を抱えてしまったことで資金繰りが悪化して取引先と共倒れになることを意味します。売上構成比率の高い取引先が業績不振に陥ると、売掛金の回収ができいと連鎖倒産のリスクが高まるので、特定の取引先に売上が集中しないよう注視することと同時に連鎖倒産を未然に防ぐためにも与信管理が必須です。売上が立っているけれども資金が底をついて倒産することを黒字倒産と呼びますが、黒字倒産になる主な原因は売掛債権の管理不足で回収不能になる点です。資金繰り対策では、仕入先への支払いおよび売上のバランスを維持することが重要で、売掛金を確実に回収して仕入先に対する支払いに備えのためにも与信管理が欠かせません。
売掛金の回収ができなくなり不良債権化した際には、帳簿上では貸し倒れ損失の形で計上しますが、不良債権が発生すると取引額が売上に反映されないだけでなく損失が発生します。損失は利益を圧迫するなどの理由から、債権額により赤字に転落するリスクもあります。そのため、貸し倒れ損失にならないよう安定的な利益確保のためにも与信管理が重要です。